院長インタビュー

「再発ゼロ」を目指す診療スタイルは決して変わらない

予防・メンテナンスは非常に重要

小川久生院長

小川久生院長

東陽町で開業された経緯・動機を教えてください。

以前、西船橋に住んでいた時に、飯田橋にある日本歯科大学の非常勤講師をしており、大学病院で診療や実験も行っていたため、自宅と大学の中間地点であるこの東陽町で開業しました。

開業当初と比べた現在の患者さんのニーズの変化、診療傾向の変化を教えてください。

ニーズの変化はあまり感じません。歯科を受診する患者さんの要求は古典的のようにも感じます。「再発ゼロ」を目指した診療スタイルは当初から変えていません。口腔内の歯牙の保存ということを念頭に置き、月に一回のクリーニングやリコールを大事にし、予防・メンテナンスに努めています。開業した当日に来ていただいて、現在も通われている患者さんも大勢いらっしゃいます。

小川先生は歯内療法を専門とされていますが、包括的に患者さんのライフステージ(年齢・立場・職業)に合わせた治療・予防をどのように実践して、天然歯を長持ちさせていますか?

私だけでなく医院の方針として、歯科衛生士全員が患者さんの口腔内をしっかりとメンテナンスし、管理をしています。特に高齢の患者さんへの対応は重要です。患者さんとコミュニケーションを取り、予防し治療すべき箇所を早期発見し、適切な処置をすることは歯科衛生士の大切な仕事です。当院では最近私より、歯科衛生士の指導内容に耳を傾ける患者さんが大勢いらっしゃいます。患者さんとのコミュニケーションを重視するスタッフにはとても感謝しています。

歯科も全身との兼ね合いを要求される時代になりましたが、基礎疾患(高血圧症・高脂血症・糖尿病等)を抱えている患者さんへの対応・他科との診療連携について教えてください。

70歳を超えるとほぼ全ての人が何かしらの薬を服用されているため、基本的に皆さん基礎疾患をお持ちと思って対応しています。最初のカウンセリングをしっかり行い、医科の担当の先生と連絡を取った上で、治療を行っています。

担当の歯科衛生士が長期間、口腔内を管理する

先生は日本歯科保存学会の保存治療認定医でいらっしゃいますが、保存治療に興味を持たれたきっかけを教えてください。

歯科大学5年生の時に行った病院実習担当の班長の先生に影響を受け、保存治療に興味を持ちました。当初は歯を残す「保存」という分野がよく理解できませんでした。組織保存、ホルマリン、酸化防止剤などのイメージが思い出されるくらいでした。しかし大学院4年間で当時の歯科保存学第一講座に在籍して研究、診療に携わっていくうちに、歯科治療の根幹をなす分野だと思うようになりました。日本歯科保存学会の学術大会に欠かさず参加するのも、新たな知識を学び、社会に還元するためだと思っています。

一般的な歯科治療と保存治療の観点から、日本の保険制度での根管治療の制限、あるいは保険制度内での治療への工夫を教えてください。

特にこの地域では保険外診療よりも保険診療を希望される方が多いようです。歯の根の治療については具体的には、1回目に歯の神経を取りましたら2回目に消毒をし、3・4回目に管の拡大形成を行った後、管にお薬を詰めるようにします。当院では、保険治療も全て自費治療と同じ様に進めているため、保険治療のクオリティーは高いと自負しています。

矯正の専門医との連携について教えてください。

隔週で火曜日の18時半から矯正の先生に来ていただいています。カルテなどで患者さんの情報をしっかりと共有し、その後の治療・メンテナンスにも活かしています。ベテランの先生なので、安心して全てお任せしています。

 

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。

症状のことはもちろん、家族構成などのプライベートのことも含めてよくお話をしてコミュニケーションを取り、治療に対する理解をいただけるよう努めています。信頼関係、ラポールに基づいた治療という訳ですね。

患者さんに寄り添ったご対応を心がけています。

患者さんに寄り添ったご対応を心がけています。

スタッフ構成を教えてください。また、スタッフ教育・採用・マネージメントで気をつけていることを教えてください。

矯正医1人と歯科衛生士が3人、歯科助手が1人ですね。
わからないことがあれば何でも聞いてもらうようにしています。
患者さんへの処置を的確にしてもらえるよう、たとえ以前教えたことでも何度でも説明して理解を深めてもらっています。患者さんに接する時と同様に、スタッフと向かい合って話しあうことが重要です。
現在、在籍しているスタッフは6年目と3年目と2年目ですが、皆さん結婚退職されるまで長期間勤めてくれています。
スタッフ同士も患者さんの情報を共有するためによくコミュニケーションを取っていますね。

歯科衛生士の業務として診療補助、患者さんへの衛生教育、予防管理などが挙げられますが、特に力を入れていることはございますか?

予防管理ですね。当院の歯科衛生士は担当制であるため、長い年月に渡って担当患者さんの口腔内を管理しています。その結果、リコール率も非常に高いですよ。担当歯科衛生士の代替わりがあっても来院される方が多く、リコール率も高いのは彼女たちが患者さんに真摯に向き合っているからだと思います。

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メンテナンスの時にC(虫歯)とP(歯周病)以外にチェックしていることはございますか?

咬み合わせの問題やカリエスはあるけれども進行していない場合の状態のチェックをしています。特に高齢者は補綴物のマージンの部分にカリエスがある場合が多いですからね。また、歯周疾患に関しては出血部位を細かくチェックしてチャートを取り、その都度その内容を患者さんにお伝えしています。一回のメンテナンスで約30~45分かけて、患者さんの個々の歯、口腔内全体をチェックして予防に努めています。定期的に通っていただいている方々の中にはそこまでの時間が必要ない方もいらっしゃいます。そのような方にはスケーリングをした後、コンクールのジェルや2種類の研磨剤を使用し、万全の態勢でプラーク除去や消毒を行っています。

定期的なメンテナンスは歯を守ることにつながります。

定期的なメンテナンスは歯を守ることにつながります。

患者さんにメンテナンスを継続的に行ってもらうために、どのような工夫をしていますか?

症状やメンテナンスの意義をしっかりと説明して理解していただくことに尽きます。コミュニケーションを取ることが大事ですね。一年ももたないであろう歯があり、その存在が他の歯に支障がない場合、その歯も保存対象になります。実際にはその歯は抜けてしまうことが多いのですが、もし抜けても他の歯が抜けないよう、よりメンテナンスに積極的に取り組まれる方が多くいらっしゃいます。

医院全体としてより良い治療の提供を目指す

休みの日は何をされていますか。(趣味、習慣など)

サーフィンをしています。元々好きだったのですが、体力維持のためにもやっていますね。朝から夜までクオリティーの高い内容の濃い診療をするためには、体力維持は欠かせません。サーフィンは全身運動ですから、非常に役立っています。腰痛もなくなりましたしね。

子供の頃の患者としての歯科体験で、現在の臨床に活かしていることはございますか?

頬粘膜を強く引っ張ったり、力任せに歯を削ったりせず、できる限り痛くない治療を心がけています。また、障害をお持ちの方は頬粘膜を少し引っ張っただけでも、拒否動作を示しますので、時間をかけ、細心の注意を払って治療をしています。

歯科大での学びや勤務医時代の経験で、現在の臨床に活かしていることはございますか?

臨床系大学院時代に学んだものが現在の私の診療スタイルのベースになっています。新しい技術を取り入れながら、根本のスタイルは変えないようにしていますね。

臨床現場で喜びを感じるのは、どのような時ですか?

治療がお互いに納得できる形で終わり、患者さんに喜んでいただけた時ですね。また、治療が終わってから何年か経った後、来院された患者さんの口腔内のメンテナンスがきちんとできていて、お口がキレイに保たれているのを見る時も嬉しいですね。

「再発ゼロ」を目指しています。

「再発ゼロ」を目指しています。

最後に貴院の今後の展望・展開を教えてください。

現在の診療スタイルは変えず、医院全体としてより良い治療を提供できるよう努めていきます。さらに年齢を重ねても長時間の診療ができるよう体力も維持していきたいですね。もちろん、研鑚もかかさないように心がけ、最新の知識は身につけていたいです。